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研究体制 - バイオプラスチック・バイオ繊維

バイオプラスチック・バイオ繊維部門(協働機関 : 三井化学(株)、Bio-energy(株)、帝人(株)、(株)ダイセル

本部門では、バイオマスから一貫バイオプロセスにより、バイオプラスチック、バイオ繊維の原料となるビルディングブロック化合物を生産することを目指します。ビルディングブロックは化学プロセスを用いてポリマー化し、最終製品へと変換されていきます。ターゲットととする化合物は多岐にわたり、バイオプラスチック、バイオ繊維の主要な原料を網羅しています。現在、石油から生産されているプラスチック、合成繊維のバイオマスへの原料転換が可能となれば、巨大なインパクトおよび二酸化炭素削減効果が期待されます。バイオプラスチック、バイオ繊維の膨大な潜在需要を満たすためには、これらのターゲット化合物をバイオマスから大量生産できる一貫バイオプロセスの構築が必須です。本部門の対象とする化合物は、微生物が本来生産しないか、微量しか生産しないものが多く、リサーチエンジン「細胞工場」を用いた積極的な代謝機能の向上を行うが、ターゲット化合物に応じて、前駆物質の生産能に優れた微生物(大腸菌、酵母、コリネ菌、放線菌、枯草菌)を選定して利用していきます。更に、改良した微生物菌体に細胞表層工学技術を適用し、セルラーゼ類の表層提示能を賦与し、バイオマスからの直接生産を目指します。また、バイオプラスチックやバイオ繊維の原料となる発酵産物には下流のバイオプラスチック・バイオ繊維への合成の観点(強度や色調の問題、成型加工の適用性)から、発酵成分の混入を最小限に抑え、高い純度に精製する事が必要とされています。そこで、微生物の発酵プロセス検討の際に、下流の膜分離技術と併せて効率的な発酵産物回収システムの構築を目指します。さらに一貫バイオプロセス由来のビルディングブロックから、環境調和型の合成技術によりバイオプラスチック、バイオ繊維を合成する技術開発を行います。複合材料化などによる高機能化についても検討していきます。そして製造されたバイオベース材料の構造や機能をリサーチエンジン「機能性・安全性評価」技術を用いて実施します。

汎用バイオプラスチック原料生産技術の開発

現在、最も普及しているバイオプラスチックであるポリ乳酸の原料となる乳酸について、微生物を用いて生産する技術を確立します。現在までに「合成生物工学」を駆使する事で、単糖であるグルコースやキシロースからの高光学純度の乳酸の生産に小規模ベンチスケールで成功しています。今後は、大腸菌及び乳酸菌にセルラーゼ類を表層提示することでバイオマス分解能を賦与し、セルロース原料からの直接生産可能なプロセスの確立を目指します。 また、生分解性を持つプラスチック(ポリアミド4)の原料であるγ-アミノ酪酸については、その前駆体であるグルタミン酸の生産能に優れたコリネ型細菌を用い、既に発酵経路の確立に成功しています。

バイオ繊維原料の生産技術の開発

バイオ繊維の基幹化合物となるジアミンに関して、アミノ酸を原料とした「合成生物工学」アプローチによって生産を検討します。現在までに、バイオナイロン原料として注目されているカダベリンやプトレシンをコリネ型細菌によりグルコースから生産する事に成功しています。今後は、「前処理プロセス」との連携により、セルロース系バイオマスからの直接発酵を目指していきます。これら微生物によるバイオ繊維原料の生産においても、本拠点のリサーチエンジン「前処理プロセス」や「細胞工場」の「細胞表層工学」「合成生物工学」技術の連携によって微生物の代謝経路を改変し、生産効率の向上を図っていきます。

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