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研究体制 - バイオマスリソース・前処理

[1] バイオマスリソース (連携機関 : 理化学研究所バイオマス工学研究プログラム)

本リサーチエンジンでは、食糧増産と両立し、さらに工業原料バイオマスとして優れた特性を持つとともに、可耕作地を拡大して増産可能な良質なバイオマスの開発と、植物活性化物質を利用した増産技術を開発します。バイオリソースとしては、リグニン等の発酵阻害物質が少ない草本系バイオマス(穀物:イネ、コムギ)、セルロース密度が高く成長速度が速いエネルギー作物 (スイッチグラス、ネピアグラス、エリアンサス)、および成長が早く大規模原料供給が可能な木本系バイオマス(早生広葉樹:ユーカリ、ポプラ)を選定しています。従来「農」学が食糧等としての機能性の向上を目的に膨大な研究と改良をしてきたこれらの植物を、「工」学の化成品原料として加工のしやすさや、可耕地拡大(環境ストレス耐性の向上)と収量増加によるバイオマス増産の視点で研究開発することは、独創性と実現可能性が高い取り組みです。このユニークな取り組みにおける,本リサーチエンジンの優位性は、先端的な「次世代育種技術」や「植物活性化物質」、そして「分析・評価技術」をコア技術として持っている点です。

[2] 前処理プロセス
(協働機関 :日本製紙(株)、Bio-energy(株)、月桂冠(株)、長瀬産業(株)、
連携機関 : 兵庫県(大型放射光施設 SPring-8))

本リサーチエンジンでは、バイオマス原料を微生物が利用可能な構造に変換する前処理プロセスの効率化を行います。セルロース系バイオマスは、複雑で強固な構造を有しているため、微生物発酵原料とするためには、物理的および化学的に処理した後に、少量の酵素で処理することで液化する必要があります。

本拠点では、物理および化学的な前処理技術の開発に、いち早く取り組み、水熱処理法、アルカリ処理法、イオン液体処理等各種前処理法を開発してきました。最適な前処理は対象とするバイオマスによって異なることを明らかにしています。比較的分解しやすい草本系のバイオマスを対象とする場合は、水熱処理やイオン液体処理が環境調和型の前処理技術として適しています。一方、より難分解性の木本系のバイオマスを対象とする場合は、製紙業界で培われてきた技術を活用できるアルカリ処理法が適しています。開発における基盤として、前処理プロセスにおけるバイオマスの構造変化を知ることは極めて重要であるため、大型放射光施設 SPring-8を用いて、兵庫県と連携して構造解析も進めています。

液化処理用の酵素大量生産技術についても、放線菌や麹菌を宿主として開発してきています。この基盤をもとに、多様な生物種由来の酵素遺伝子群を発現させ、細胞工場との相乗効果によるバイオマス液化処理に適したタンパク質製剤を開発します。これらを通じて新たなプロセスイノベーションを起こすことができます。

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