静的光散乱とライトフィールド顕微鏡の複合化による非蛍光・非侵襲・三次元分子量計測


執行 航希 三菱電機 情報技術総合研究所


研究協力者
吉岐 航 三菱電機 情報技術総合研究所

本研究は、ライトフィールド顕微鏡と散乱解析技術を複合することにより、分子量・分子サイズの空間分布をたった一度の撮影で取得可能な顕微鏡を開発することにある。これまで散乱光の物理的なスキャンが必須であった散乱解析装置は、そのスキャンの必要性から長時間の計測が必要になり、ダイナミックに変化する事象の測定は困難を極めた。実際に、細胞内で時々刻々に変化する分子量分布や、空気中に存在する微粒子の分子量検出など経時変化の大きい対象の測定は困難であった。一方でライトフィールド顕微鏡はマイクロレンズアレイを利用することで、撮影対象から得られる光線の角度情報も含めスキャンレスに、たった一度のカメラ撮影で検出する時間分解能が優れた技術で有るものの、空間分解能が低いという問題点が存在した。申請者はこのライトフィールド顕微鏡の低分解能問題を独自に解決し、光散乱法と融合することで、スキャンレスに散乱光の解析を行い、スキャンレス高速三次元空間分子量計測の基礎を構築する。