A03-8光波の時空間における計測・変調・制御を駆使した地球型惑星検出に迫るイメージング


早野 裕 国立天文台 ハワイ観測所 教授

研究分担者
西川 淳   国立天文台TMTプロジェクト室 助教
入部 正継  大阪電気通信大学工学部 教授

研究協力者
服部 雅之  国立天文台先端技術センター 特任助教
山本 広大  京都大学理学研究科附属天文台 研究員
東谷 千比呂 国立天文台先端技術センター 研究員
本計画研究では、実問題における散乱透視学として天文学、特に太陽系外惑星の直接撮像をターゲットにした研究を行う。大気揺らぎで生じた位相誤差の補正(補償光学)により、地上望遠鏡でも回折限界像が得られるようになった。しかし、太陽系外惑星の直接撮像においては、望遠鏡振動・追尾駆 動誤差、スパイダー機構による光位相ギャップ、焦点面のスペックルノイズ、光学反射面の散乱光ノイズなど、補償光学では補正しきれない誤差要因が問題になってきている。本研究では、ランダムに時間変動する焦点面スペックルノイズを光波高速変調によって測定・補正するというアイデアの有効性を、数値シミュレーションと実証実験によって示すことからまず取り組む。ランダムスペックルを模擬する光源、光波変調素子、フレームレートの高い検出器システムからなる実験光学系を構築し、他の計画研究と連携して、適切な計測手法の模索と得られたデータを理解するための理論的な解釈を交互に繰り返す。そして実験によって得られた大量のデータを数理的に解析し、 計測手法・理論・システムモデリングなどの改良につなげる。この過程と得られた結果を基盤として、それ以外の様々な誤差要因の分析に応用し、太陽系外惑星の直接撮像を含め、光の散乱や揺らぎの幅広い実問題の課題解決に対する示唆を与える。

キックオフシンポジウム録画

光波の時空間における計測・変調・制御を駆使した地球型惑星検出に迫るイメージング